はなしたいこと、すきなこと

何もわからないまま社会の波に飲まれたオタクが、書きたいこと、話したいことを好きなだけ書いています。

アイドルをきっかけとすること

※今回は、ジャニーズWEST小瀧望くんが主演をつとめた舞台「エレファント・マン」で、「アイドルが好きだからを理由にみていいの?」のと舞台鑑賞に引け目を感じていたオタクが、配信だし見てみよう!と思い立った結果、他の舞台をみてみたい!にまで至り、「アイドルから世界が広がるのってたのしい!」と実感している、と言う話をただダラッダラ書いているものになります。
 
=====================
「人生初」はいくらでも作れるけれど、
本当に印象に残る「人生初」って実はそんなにないかもしれない。
 
人生で初めて、舞台を見た。『エレファント・マン』を、配信で。
配信なので、正確に観劇と呼んでいいのかわからないですが、初めての舞台鑑賞。
 
正確には、プロの舞台を初めて見ました。
 
これまで見たことがある演劇といえば、高校時代の演劇部の友達の公演のみ。
たしかアガサクリスティ原作で、友達が友達に見えなくて、全て役の時間を生きている感じで、本当にびびりまくって、驚いて、感激して、演劇って面白いんだ…!!!ととても感動したことは覚えている。
 
ただ、プロの舞台をなぜか見に行けなかった。
オタクをしていれば、自担Gの舞台の抽選に申し込むチャンスは、かなりある。
それでも、いつも舞台は申し込めなかった。
 
どうしてなのか?を改めて考えると、
①舞台が、その喋り方に「役をやっている自分」を演じている感じを覚えて苦手だった
喋っているのに、そこにあるのは自意識だけ・・・のように感じてしまう瞬間があって、
そこに肥大化した自意識!自己顕示欲求!みたいなものを勝手に感じて嫌がっていた。(何を見たんだろう?)
 
②舞台を好きな人のコミュニティが怖かった
舞台の系譜や物語の背景といったところまで造詣が深すぎて、恐れおののいたから。
というとマイルドですが、ドラマメインで活躍する女優さんへの「ミュージカル初挑戦で〜の0番にたつなんて・・・」騒動や、
アイドルが舞台に出た時の品定めするような言葉をみて、「にわかの入る余地なんてない厳しいコミュニティなんだ」と感じたから。
 
③アイドルと舞台の距離を見誤った
ことジャニーズのアイドルは、初の演技経験がそもそも舞台というケースが多く、そのルーツを舞台にもつことが多いにも関わらず、それを忘れておりました。
舞台を好きな人からすれば、アイドルはそこに踏み入る部外者…と理解されていると誤解。もったいない。
それゆえ、そのファンとして観劇することが、どこか舞台自体を愛している方に、疎まれてしまうのでは?と言う不安に勝手に苛まれていた。
 
 
これゆえに、私と舞台の距離は遠かった。
本当に好きな人が、舞台を見たほうがいいんじゃないか?
自分のように「好きなアイドルが出ていて興味を持ったから」と言うのは、あまりに不純な動機なんじゃないか?と不安がって、演劇との間に距離を取っていたんだと思う。
 
 
そういう臆病ビビリマンにとって、最高のチャンスが配信。
舞台に上記のような不安というか、後ろめたさを感じているオタクには、
正直配信でも、「見ていいのかな?」という思いがありました。
 
ただ、
ここが見るなら一番いいタイミング(自分が席を奪う感覚がない)
ここで見なかったら、一生ないチャンスかもしれない(配信なんて今後ないかもしれない)
 
この思いから、チケット発売最終日に買って、
部屋を暗くして、大きなスクリーンで、息を詰めて、鑑賞。
 
 
作品の予習が少なかったゆえの理解不足もかなりあると反省しつつ、
普通を求めて、普通を手に入れているように感じている(ようにみえた)けど、
実質まわりの慰みの触媒のようになっていたメリックって本当に幸せだったのかな?とか、
 
メリックを自分の鏡のようだと言いながら、結局は自分の見たいようにしか物事を見ようとしない人の集まりは、
どこの誰とも繋がらない「孤」の集まりでしかないんじゃないか?…とか、考えてしまった。
 
そして、気づけば、久しぶりに自分の聖書を引っ張り出してきて、詩篇を読み直していて、
演劇から、こうやって気になったものを調べたり、読んだりする時間が生まれていた。
 
 
私の舞台観劇デビューは、こうして終わった。
舞台を見てこなかったこと、忌避してきたことが、いかに勿体無いことだったかを実感しながら。
 
ホクホクした気持ちに勿体無かったな…の後悔を添えて、「初めて演劇を見たよ!」と演劇経験者の友達に、気づくと連絡を取っていた。
すると、すぐに、これから見れる様々な舞台やミュージカルのあらすじ・みどころ・推しポイントが返ってくる。
 
舞台を愛する人たちは、舞台を好きになりそうな人に優しい、という衝撃。
本当に勿体無いことをしたな…という気持ちと、ここで気づけてよかったという気持ちで、見てみたい舞台を伝えた。
 
話はトントン拍子ですすみ、春になったらその舞台を見にいけることになった。
知らない俳優さん、知らない物語、知らないシアター、まだ何もわからないから、今度はちゃんと予習していこう。
 
 
自分で舞台を見に行きたいと思うなんて、夢に思わなかった。でもいまは、それを心待ちにしている。
アイドルをきっかけにするということ、それにはいつも後ろめたさが潜んでいて、
どこか俯き加減で身を潜めて楽しまないといけない、できればそれは避けたほうがいいとまで思っていた。
 
 
でもそれってすごくもったいない。
アイドルから始まったものが、アイドルの世界をこえた面白い・知りたいに繋がっていく。
自分が知るつもりのなかったこと、触れることなんてないと思っていた世界が、予想だにしないタイミングでぐっと身近になる。
 
これってかなり、面白い。セレンディピティというやつじゃん。
アイドルをきっかけに、世界を広げるということ、これはアイドルのオタクをやっている者の特権なのかもしれない。
ふとした拍子に、予想だにしないタイミングで、次は何に出会うんだろう!!!とまたワクワクしてしまうオタク生活が、今日も楽しい。
 
 
=====================
これ以降は、小瀧さんすごいな〜尊敬だな〜〜〜という話。
 
=より上の文章は、読売演劇大賞杉村春子賞(新人賞)を、小瀧くんが受賞すると知る前に書いていました。
(小瀧さん、おめでとうございます!!!!)
 
その賞のことすら知らなかったレベルの演劇無知人間なので、その賞がいかにすごいかを理解できていないかもですが、
その受賞の話を聞いて思ったことも、つらつらと。
 
 
小瀧くんは、同じ学年にあたることもあり、
勝手に世代観(社会人2年目的な、24歳特有な、的な悩みや望み)を、
共有していると僭越すぎながら思っています。(大変僭越すぎ)
 
いろんな人の期待やら、プレッシャーやら、自分のこれからやらを、
勝手に背負わされたり、背負ったりしている中で、ちゃんと結果を出す。
(俳優として、20代のうちに結果を出す…というやつ)
 
これまでの経験が全部意味あったのかな?と疑いたくなるような、
自信もプライドもぶっ壊れる経験から、ビビらずに向き合う。
(公演期間がはじまってからも、ダメ出しを受ける…というやつ)
 
この2点を、尊敬せずにはいられませんでした。
「ある程度は新人じゃないからできるよね?」vs「まだまだ若いからこれは無理よね」の境目の年齢。
 
結果を求められつつも、うまくそれが出せなくて悔しいとか。
結局なにも得られなくて、迷惑だけかけて苦しいとか。
心が折れて、やってみたかったことを思い出さないように目を背けてる情けなさとか。
 
24歳のそんな感じを、勝手に重ねて(大変僭越すぎ)
逃げずにちゃんと戦っててすごいな、と思い悩みまくりの私は思わずにいられない。
 
 
エレファント・マン』をみた話から、こんなところまで来てしまった。
色々と思い悩みすぎなのかもしれない。こんなことまでアイドルをきっかけに考えんでええねんって思ったりしつつ、また今日もおもしろあたらしなんじゃこれに出会えるのを心待ちにしていたりします。
 
 
以上、またいつか!